西宮市立育成センター 苦楽園育成センター - Nishinomiya

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接種後に心筋炎や心膜炎を疑う事例について

更新日:2022年7月11日

(厚生労働省ホームページ内新型コロナワクチンQ&A「ワクチンを接種すると心筋炎や心膜炎になる人がいるというのは本当ですか」より)
 
 頻度としてはごく稀ですが、新型コロナワクチンの接種後に、心筋炎や心膜炎を疑う事例が報告されています。mRNAワクチン(ファイザー社及び武田/モデルナ社のワクチン)接種後については、高齢者よりも思春期や若年成人に、女性よりも男性に、より多くの事例が報告されています。
 
【専門家の見解について】
 ワクチン接種後に、心筋炎や心膜炎を疑う事例が国内外で報告されていることについて、新型コロナウイルス感染症の発生状況も踏まえ、心筋炎・心膜炎の専門家は以下のような見解を示しています。
●コロナ禍においては、心不全・不整脈・冠動脈疾患などの心血管病の診断と管理が重要であり、若年者であっても胸部の症状(胸の痛みや違和感、息切れなど)があれば、精査や治療の継続が必要です。
●ワクチン接種後に心筋炎や心不全が疑われた報告の頻度やその重症度、突然死の報告頻度よりも、新型コロナウイルスに感染した場合のそれらの発症頻度は高く、重症です。
●医学的見地から、心血管合併症の発症、重症化の予防及び死亡率の減少を図るためにも、ワクチン接種は有効であると考えます。
●コロナ禍においても、ワクチン接種歴の有無に関わらず、突然死のリスクである心血管病を早期発見するために、胸部の症状の出現など心血管疾患が疑われる時には、速やかに近くのかかりつけ医などに相談し、必要に応じて精査や治療をすることが重要です。
 
 本邦におけるこれまでの報告状況を踏まえると、心筋炎や心膜炎の典型的な症状としては、ワクチン接種後4日程度の間に、胸の痛みや息切れが出ることが想定されます。特に若年の男性は、こうした症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診することをお勧めします。
 
【mRNAワクチン(ファイザー社及び武田/モデルナ社のワクチン)について】
 日本で接種が進められているmRNAワクチンについて、接種後に副反応を疑う事例として報告された心筋炎や心膜炎の状況を解析した結果、接種を受けた人の属性がワクチンの種類ごとに異なることに留意が必要であるものの、ファイザー社及び武田/モデルナ社のワクチンいずれも、10代及び20代の男性の報告頻度が他の層と比べて高いという傾向が確認されています。また、10代及び20代の男性では、ファイザー社よりも武田/モデルナ社のワクチンを接種した場合における報告頻度の方が高いことも確認されています。
 
 このような解析結果を踏まえ、厚生労働省の審議会(令和3年10月15日開催)では、
●いずれのワクチンも、新型コロナウイルス感染症により心筋炎や心膜炎を合併する確率は、ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎を発症する確率と比較して高い(*)こと等も踏まえ、現時点においては、接種によるベネフィットがリスクを上回っており、全年代において、ワクチン接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない
●ただし、10代及び20代の男性については、ファイザー社のワクチンに比べて、武田/モデルナ社のワクチン接種後の心筋炎や心膜炎が疑われる報告頻度が明らかに高いことから、十分な情報提供の上、ファイザー社のワクチンの接種も選択できることとする
●なお、本人が希望する場合は、引き続き、武田/モデルナ社のワクチン接種も可能である
とされました。
 
【3回目接種について】
 国内の3回目接種後の心筋炎・心膜炎疑いの全体の報告頻度は、2回目と同様、若い方、特に男性で高かったものの、2回目よりも低い傾向となっています(※1)。また、米国やイスラエルを始めとする海外でも同様の傾向が確認されています(※2、3)。
 
 12歳以上における、ファイザー社及び武田/モデルナ社のワクチン1~3回目接種後の、心筋炎や心膜炎を疑う事例の報告状況については下記のとおりです。
ファイルダウンロードのリンク 新規ウインドウで開きます。心筋炎・心膜炎が疑われた報告頻度(PDF:503KB)
 
【4回目接種について】
 日本における4回目接種は、令和4年4月25日より開始されています。製造販売業者からの副反応疑い事例報告について専門家評価を行った結果、心筋炎や心膜炎と評価された(注)事例は、ファイザー社のワクチン、武田/モデルナ社のワクチンいずれも0件となっています(審議会(令和4年7月8日開催)報告時点)。
(注)当該事例における症状が心筋炎や心膜炎であることを評価したものであり、ワクチン接種との因果関係を評価したものではないことに留意が必要です。
 
【小児(5~11歳)接種について】
 日本における小児(5~11歳)接種は、令和4年2月21日より開始されています。製造販売業者からの報告について専門家評価を行った結果、心筋炎と評価された事例が0件、心膜炎と評価された事例が1件となっています(審議会(令和4年7月8日開催)報告時点)。なお、米国における接種後の心筋炎の報告頻度は、5~11歳男性の方が、12~15歳男性及び16~17歳男性と比べて低かったとされています(※4)。
 
【組換えタンパクワクチン(武田社のワクチン(ノババックス))について】
 令和4年5月25日より初回接種及び3回目接種が開始された武田社のワクチン(ノババックス)についても、海外で心筋炎や心膜炎を疑う事例が報告されています。国内では、現時点(審議会(令和4年7月8日開催)報告時点)で心筋炎や心膜炎を疑う事例の報告はありませんが、海外の動向も踏まえ、添付文書を改訂することになりました。今後も情報収集・評価・分析を継続し、最新の情報を皆さまにお知らせしてまいります。
 
(*)国内のレジストリに登録された、新型コロナウイルス感染症による入院患者のうち、15~39歳男性の心筋炎・心膜炎が疑われた報告頻度は100万人あたり834人(2021年5月31日時点データによる解析)(※5)、米国の大学で実施された、大規模な複数の医療機関の電子カルテを集約した調査結果によると、12~17歳男性の心筋炎・心膜炎が疑われた報告頻度は100万人あたり450人(※6)であったとされています。
 また、その他の最新のデータによると、新型コロナウイルス感染後の心筋炎等の合併について、米国における心筋炎等の患者は、12~17歳男性で100万人あたり501~649人、18~29歳男性で100万人あたり553~1,006人(※7)、英国における心筋炎の症例は100万人あたり約1,500件(※8)と報告されています。

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