関西福祉科学大学附属 整形外科リハビリ診療所

　関西福祉科学大学を設置する玉手山学園の歴史は1942年(昭和17年)の玉手山高等女学校創設に始まります。建学の精神は「感恩」。ありがとうを大切にし、ありがとうに人は育てられる。これが学園教育のベースになっています。
　学園は地域共生(地域と連携し活動)を大切にしています。地域の人に喜ばれ、ありがとうの言葉をいただくと学生も教職員も成長できます。柏原の街の人口はおよそ7万人、この学園に約5,000人の若者がいます。若者の豊かな心(人が喜ぶことをしたい)は大きなエネルギーを持っています。地域共生の一つの柱が、この診療所です。福科大の保健医療学部開設を機に2013年(平成25年)に、次の具体的な目的を掲げ開設しました。

“学校法人が設置する診療所”　教員や学生も協働
　学園の大学・短期大学は健康的な生活推進に関わる専門学科を多く設置しています。患者さまの喜びを第一に掲げ、常に質の高い医療・リハビリを目指し、学園も本診療所の運営を支援してまいります。(特に保健医療学部の教員・学生は実習や健康教室等でも深く診療所に関わります。)
　街の人に「この診療所があってよかった、ありがとう」と言われたら、私たち(学生、生徒、教職員)は喜びを感じ成長します。
 
“楽しい、元気・やる気が出る”診療所　色々なプログラム(催し)
　この診療所に来ると治療・リハビリはもちろん、加えて“楽しい、元気・やる気が出る”と思われる診療所をめざしたい。そのために色々な“仕掛け”を考え、診療所スタッフはもちろん、学生・生徒、教職員たちで試行していきたい。　“やってみよう！” やらない理由より、できる方法を考え実践する学園組織であり続けたいと願っています。
 

2019.8.08  理事長 　江端源治 

　本診療所の設立目的は①地域貢献、②学生・職員の健康管理・維持向上、②教員の研究向上、学生の実習指導です。第一は地域貢献には診療所を中心として地域住民の皆さま方の健康づくりを支援しています。
　第二は整形外科専門医としてプライマリケアとしての骨関節疾患(整形外科疾患)の診断・治療を行っています。骨折はレントゲン評価のあとギプス、装具治療を行います。手術が必要な場合は適切な病院へご紹介します。
　関節や脊椎の痛みに関しては関節注射やブロック注射を行っています。痛風、骨粗鬆症や関節リウマチなどに対しては最新の薬物療法を行います。患者さん一人一人に最適のプログラムで疼痛の改善、可動域拡大、筋力強化などを科学的に治療します。ロコモ症候群や筋肉が少なくなるサルコペニアに対しても強力なリハビリテーションを行います。脳血管障害後遺症や筋神経疾患などの積極的なリハビリテーションを行っています。

　当院の最大の特徴は地域住民の皆さまの健康増進のために「いきいき健康教室」講演会を年4回と年1回「いきいき健康診断」を行っていることです。講演会では膝関節症、変形性脊椎症、インフルエンザ予防などをわかりやすく解説しています。
　地域住民を対象とした「いきいき健康づくり教室」を毎年6月の金曜日と土曜日に行っています。「運動機能評価」（ロコモテスト、10ｍ歩行、TUG）と「認知機能評価」（注意機能、記憶、言語流暢能）を科学的に研究しています。文科省の科学研究費を獲得して運動器健診だけでなく認知機能の評価と治療方法を研究しています。健康診断終了後1ヶ月で結果説明会を行い、治療が必要な場合は介入を行っています。この研究では「運動機能が高い人は認知機能も有意に高い」ことがわかりました。寝たきりになるのが怖い人や物忘れが気になる人は是非診療所へご相談ください。
　さらに健康診断参加者に対して9月から12月までの3か月間、毎週火曜日に「膝・腰教室」を行っています。同時に芸術教室も行っています。12月の中旬に運動機能の評価を行います。昨年は膝腰の痛みと運動機能が著明に改善していました。絵画の展覧会を開催しました。多数の住民の皆さまのご理解とご参加をお待ちしております。教室終了後の1月から7月までは「たまてやまカフェ」を開いています。参加者とスタッフはお茶とお菓子を楽しんでいます。多数の住民ボランティアの皆さまには診療所の花壇の世話、住民健診のお手伝いなどを感謝しています。

　職員学生の健康増進のために健康診断、各種ワクチン接種を行っています。また当大学の附属診療所として理学療法士・作業療法士の学生実習を担当しています。